私の数学は「思考数学」です。自力で問題を解いてもらうことを追及しているため、復習よりも予習を重視しています。
しかし、指導するすべての生徒に対してそう指導しているわけではありません。予習と復習の力の入れようは学習段階によって変わります。
まず、入塾したての低学年(中1~中3)は、数学の知識について知らないことだらけです。必要な知識は基本原理からすべて説明します。もちろん、基本問題や典型問題の解説も行います。それをスキップしていきなり入試問題を解くことなど、一部の天才タイプの生徒以外には不可能です。この時期に復習の方法を徹底的に身につけてもらいます。しっかり復習ができているかどうかは、初期の段階では「定例の」復習テストでチェックします。それで合格できない生徒は明らかに努力不足です。範囲も狭く、出る問題もわかっているのですから。
次の段階は抜き打ちテストです。3週間や2ヵ月前に習った問題を出題しチェックします。これが生徒にとっては厳しいようです。「定例の」復習テストは丸暗記で何とか乗り切ることができても、抜き打ちテストはそうはいかないからです。生徒はここで新しい復習の方法を身につける必要性を感じ始めます。例えば、授業で習った問題を自宅で解きなおしたとしましょう。当然、解けない問題が出てきます。そこで、授業のノートを見返して理解しなおします。その後(すぐに)、もう一度問題を解き直すのですが、それで解けても「今解いたばかりで覚えているから解けるだけ」なのか、「本当に理解できているから解ける」のかを判断できないケースが少なくありません。しかし、ほとんどの生徒はその場での解き直しで満足します。それで抜き打テストで不合格になるのですが、ではどうしたらいいのか。怪しい問題は、手帳(スマホでも可)にメモしてしかるべき時期に解き直しをするのがいいと思います。このしかるべき時期は生徒の能力によって異なりますが、おおよそ2週間後ぐらいが適当だと思います。学習習慣が身についていない生徒に対しては私の方からそれを指示します。それで正解できればある程度身についていると判断してもいいでしょう。もちろんすべての問題について、この面倒臭い作業をする必要はありません。「怪しい問題」に限ってです。
思考力がついてくると、授業中の理解だけでほとんど復習は必要でなくなります。初心者のように授業で習ったことを簡単には忘れるということがほとんどなくなります。仮に解法を忘れても、自力で考え出せるようになります。そうなると、持っている力をすべて予習につぎ込むことができるので、さらに思考力が身につき、加速度的に成績が向上していきます。
復習重視の学習を続けていると、いつまでたっても思考力が身につきません。初期の段階は仕方がないかもしれませんが、できるだけ早く復習のウエイトを下げ、予習重視の学習ができるようにしていく必要があると思います。