前回の続きです。

 彼の答案です。

この答案からわかることを書きます。

まず、彼は「余事象」で解こうとしています。しかし、この場合分けの数(全部で5つもある!)を見ると、余事象で解く必然性を感じません

それから、これが一番大事なことですが、場合分けのⅱ)に間違いがあります(よってそれ以降については見ていません)。今回の設定では、「4人が自分の名刺の入った封筒を選ぶ」ということは、「5人全員が自分の名刺を選ぶ」ことと同じです。封筒は5枚で人間が5人ですから(この説明でもわからない人は→例えば、A,B,C,Dが自分の封筒を選んだら、残された封筒はEの封筒で、必然的にEは自分の封筒を選ぶことになります。小学校高学年の生徒でもしっかり想像すればわかると思います)。にもかかわらず、ⅰ)とⅱ)の確率が違うのはおかしいです。計算以前の問題です。しかし、彼は間違えました。なぜか。それは具体的に考えないで、ただ計算で解こうとしているからです。こういうタイプの生徒は非常に多いです。他の分野でも、少し頭を使って具体的に考えたら簡単に解ける問題を、あえて自分からややこしく(難しく)考えて、ノートにたくさんの式を書き並べます。それで数学の問題を解いたつもりになっています。これでは伸びません。

最後に。私は生徒の予習を毎回すべて添削します。そして、必ず間違えた問題はなぜ間違えているのか、どこが間違えているのかを明確にしてもらいます。間違いの原因を明確にしないと、今後も忘れたころに同じ間違いを犯すからです。これは集団授業ではできません。個別指導でもここまでしているところは少ないのではないでしょうか。