国語の話(2)~自学で現代文ができるようになるのか~
今回は共通テストの現代文のみに絞って書きます。医学部志望以外の生徒(文系も含む)も参考になると思います。結論としては「生徒によりけり」と言うしかありません。以下の2つの条件を満たす生徒は、塾や予備校に通わなくても、学校と自学のみで共通テストで8割以上を取れる可能性は十分にあると思います。
条件の1つ目は、「ちゃんとした」参考書(問題集も含む)を手に入れることです。書店に行くと多くの現代文の参考書が並んでいますが、「ちゃんとした」参考書はほぼ存在しません。おそらくその参考書を執筆した多くの先生たちもそう思っているはずです。この30年間で私が役に立つと思った現代文の参考書は3冊のみです。
条件の2つ目は、参考書の内容を理解できることです。非常に残酷な事実ですが、現代文が苦手な生徒は参考書を読んでも理解できません(※)。もちろんまったく「わからない」わけではありませんが、模試等で安定した結果を出せる程度には理解できないのです。理解できていないことを理解していない生徒も少なくありません。私が参考書を紹介して国語が(ある程度)できるようになった生徒はこれまでに一人だけです。その生徒は最終的に京都大学医学部に進学しましたが、もともと優秀な生徒でした。
以上をまとめると、「もともとある程度の現代文力があり、学習効果のある激レアな参考書を探し当てて勉強する」という条件をクリアした生徒のみが自学の結果、共通テストで8割以上を安定して取る学力を手に入れることができるのだと思います。現実的にかなり厳しいことがおわかりいただけたと思います。それでは塾や予備校に通えば大丈夫かと言われると、それも違います。また別の機会に書きたいと思います。
(※)理解できない理由のひとつとして、解説が難しいということが挙げられます。現代文という教科の性質が原因です。以下、参考書の執筆者の立場を想像しながら読んでください。そもそも本文の内容が難しいため、その本文の内容をわかりやすく文章化しても、難しくなるのは当然です。頑張ってかみ砕いた言葉を用いても、説明が冗長になり、読解力のない生徒は途中で「萎えて」しまいます。理解しづらいのは本文の内容だけではありません。読解中に「この一文が大切だ」とか「この段落は前の段落の発展的内容である」などと自分で気づかなければいけない場面にたびたび遭遇します。それを「どうして」「どのようにして」気づいていけばいいのかについても書く必要がありますが、文章化するとどうしても説明が入り組んだものになってしまうため、これも読解力のない生徒に理解してもらうことは非常に困難です。
